嘘付きな使用人
重たすぎる答えにうなだれる小野寺。
そんな事に気付かないのかのんびりコーヒーを楽しむ清水。

両者は明らかに噛み合っていない。

「あー…。
ご両親と別れてからどうやって今まで生きてきたの?
施設かい?」

「いえ。
施設は性に合わないと幼いながら分かっていたので、周りの人の同情や憐れみに漬け込んで新聞配達や喫茶店の手伝いをさせて貰って生計を立ててきましたー。」

「同情ねぇ…。」

小野寺は明らかに信じていない表情を浮かべる。
とても大変な話を聞いているのに清水の態度を見ていると何故だろうか。
同情や憐れみは出てこない。

そんな小野寺の葛藤を見透かしてか清水が口角を上げる。

「もちろんこんな態度じゃないっすよー。
こんなんじゃ庇護欲をそそられないですからねー。」

「…そっか。」

小野寺は頭をガシガシとかくと本題に入る事にした。
この少女と話していると全く話が進まない。

「そろそろ本題に戻るね。
使用人の募集って事で応募して貰ってると思うんだけど家事全般は出来る?」

「まぁ人並みには。」

「あと家事以外にもう一つお願いがあるんだけど大丈夫かい?」

少女はコーヒーを飲み干しやっと話を聞く気になったのかカップを置いた。

「実は面倒を見て貰いたいのが所謂生徒会のメンバーでね。
うちの学校は特殊で、生徒会の仕事をする代わりに成績さえ維持すれば授業に出なくても良い事にしているんだ。
ただ最近ね…。」

「成績も落ちて授業も出ず生徒会の仕事もしない?」

「いや、成績は維持してるんだが…後半は君の言う通りなんだ…。」

「なるほどー。
義務を果たさず権利だけ主張してると。」

「まぁ、そんな所だ。
幸い君は性格がアレだし、彼らに怯まなそうだし…。」


「アレってなんすか。
明らかに褒められてないっすけど。」

まぁまぁと小野寺が宥めるがそもそも少女は気にしてなさそうだ。
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