そばにいるよ。


すると、彌丹は、突然、壊れた笑い声を出し、包丁を取り出し、俺にそれを向けてきた。






グサッ、と左胸に、痛みが走る。






「朱翔お兄ちゃん!!!」






緋里の泣き叫ぶ声が、聞こえる。






すると、彌丹のこんな声が最後に聞こえた。















『貴女ノ幸セヲ私ガ奪ッテアゲル――。』






その声と共に、グサリ、と包丁の刺した音が、聞こえたと同時に、俺は、意識を手放した。






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