そばにいるよ。
「別に……。」
「もしかして…紫月が好きなのに、紫月は全然気付いてくれなくて、しかも、緋里と仲良くしてるのに、嫉妬してる。とか?」
「!?」
小声で、ニヤッ、と妖しく微笑えみながら、私の気持ちを当ててくる朱翔。
何で、私の気持ちを……?
どうして気付いたのか、疑問で仕方がない。
「そんなに、辛いなら……俺が、忘れさせてやろうか?」
「なっ……!」
ガタンッ、と立ち上がる私。
「どうした、早乙女?」
「あっ…何でもありません。」
「そうか?ならいいが。」
また、椅子に座り直す。
朱翔の方ををチラッ、と見ると、ククッと笑っていた。
「誰のせいで、こんなことになったのよ。」
「さぁ?…………でも、さっき言ったことは本当だからな。考えとけよ。」
「っ!」
ニヤッ、と笑う朱翔は、妖艶という言葉にピッタリの雰囲気だった。
不覚にも、カッコいいと、想ってしまった。
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