神龍と風の舞姫
「負け惜しみか、残念だ。暴走の危険性のないまま手に入れたかったが、どうやら聞き分けがよろしくないようだ」
ぶわっと背後に二つの水流りつつ、低い声が響く
と、同時にまるで生き物のような二つの水流が絡み合いながら襲ってくる
「…っ。-海斗…!!」
反射的に後ろに下がりながら、渾身の想いでその名を呼ぶ
刹那ー
「弾き返せないなら、燃やし尽くせばいい」
背後から伸びてきた大きな手がしるふを引き寄せつつ、耳元で低い声が響いた
しるふの目前まで迫っていた水流は、しかし、しるふに届く寸前で激しい音を立てながら蒸発していく
吹き付ける熱風も決してしるふを傷つけることはない
最後の一滴を蒸発させ、淀んでいた熱風がぶわっと周囲に拡散していく
「…海斗」
背後から回った手に自らのそれを添えて、そっと首だけを回して後ろを振り返る
前を睨み付ける海斗の瞳には、静かな怒りが宿っている
「神龍、カイト。その姿はこの世のあらゆるものより神々しく、誰も逆らえないと聞く。どうだ、その力私のもとで使ってはみないか」
海斗を目の前にして興奮しているのか、先ほどの抑揚にかけた声は今や高ぶっている
「五月蠅いんだよ」
ぴしゃりと跳ねつけて、海斗の青い瞳がすっと金色に変わる
ぶわっと背後に二つの水流りつつ、低い声が響く
と、同時にまるで生き物のような二つの水流が絡み合いながら襲ってくる
「…っ。-海斗…!!」
反射的に後ろに下がりながら、渾身の想いでその名を呼ぶ
刹那ー
「弾き返せないなら、燃やし尽くせばいい」
背後から伸びてきた大きな手がしるふを引き寄せつつ、耳元で低い声が響いた
しるふの目前まで迫っていた水流は、しかし、しるふに届く寸前で激しい音を立てながら蒸発していく
吹き付ける熱風も決してしるふを傷つけることはない
最後の一滴を蒸発させ、淀んでいた熱風がぶわっと周囲に拡散していく
「…海斗」
背後から回った手に自らのそれを添えて、そっと首だけを回して後ろを振り返る
前を睨み付ける海斗の瞳には、静かな怒りが宿っている
「神龍、カイト。その姿はこの世のあらゆるものより神々しく、誰も逆らえないと聞く。どうだ、その力私のもとで使ってはみないか」
海斗を目の前にして興奮しているのか、先ほどの抑揚にかけた声は今や高ぶっている
「五月蠅いんだよ」
ぴしゃりと跳ねつけて、海斗の青い瞳がすっと金色に変わる