一期一会 ~未来からの贈り物~
「お前さ、もうやめたら…」
琉司のそんな声が届いた。
けど、いつもながらに聞えなかったふりをする。
「っーかさ、俺ミナモのこと好きなんだけど…」
「……」
そう琉司に言われても、簡単に気持ちは変えられないから、いい返事もあげられない。
昂くんを好きだと言う気持ちが消えない限り、琉司の気持ちに私は応えちゃあいけない気がする。
いやっ、もしかしたら琉司の気持ちに応えられないのなら、ちゃんと振ってあげればいいことなのかもしれない。
そうしたら琉司は新しい恋が出来る。
いつまでもちゃんとした答えも出さず、ズルズル私に突き合わせれのは、やっぱりいけない事だと思う。
でも……
私は彼にきっと甘えている。
こうやって今日だって琉司は私を助けてくれて、
だから私は彼を手放せないかもしれない。