一期一会 ~未来からの贈り物~
彼の姿を見付けるのと同時に、琉司の声が私の意識を呼び起こさせる。
私は一瞬惚けていたが、その声にはっとし我に返った。
「ご、ごめん。今行く!」
そう叫んだけど上手く足が動かない。
久しぶりに彼の姿を見付けてしまい、あの忌まわしい記憶よりも淡い思いの方が勝ってしまい、だからなかなか動けない。
もう少しだけ、彼の姿を目に焼き付けたい。
焼き付けたいけど……。
そんな立ち止まったままの私の元に、心配顔の琉司が近付いて来た。
「……早く、行こ」
いつもの声より若干低い声音にびっくりして琉司を見れば、もの悲しげな表情を湛えていた。
「ど、どうしたの?」
そう琉司に問えば、私の手をギュッと握り締め、足早に歩きだした。
ーーどうしたんだろ?琉司……