竜王様のお約束
コウリュウは元の位置に戻り玉座を見る。


「コクリュウ、前へ。」


名を呼ばれたコクリュウはぎこちなく立ち上がると、一歩前へ出た。コウリュウが毅然とした声で宣言する。


「今この瞬間より、天界の竜王をコクリュウと致す。
天界に住まう全ての民たちは、コクリュウ王陛下の意に背くことを許さぬ。
心して仕えよ。そして恩恵を受けよ。」


その言葉を受けて、民たちはひしめき合うその場へ一斉にひれ伏した。


そんな階下の光景を目の当たりにして、コクリュウはかなり動揺してしまったのだが、これから行う大事な儀式を成功させるべく大きな深呼吸をした。そして意を決する。


「リョクリュウ。」


大きな声でコクリュウはリョクにリュウを付けて呼んだ。


それを受けてコクリュウたちが入ってきたあの豪奢な扉から、艶やかな緑色をした髪の少女が姿を現す。
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