竜王様のお約束
ここに集う民たちは大勢いるが、もちろん天界中の全ての者ではない。
竜王の生気は天界中の隅々にまで行き渡り、ありとあらゆるモノへと届けなくては意味がない。広大なこの天界を統べる者として絶対の信頼をえられなければ、君臨できようはずもないのだから。
「リョク様、大丈夫ですか?」
「うん。」
「私が誘導致しますから。
全てを私に委ねてください。」
「うん。」
こくんと頷くリョクの顔は言葉とは裏腹にどこか不安げで、コクリュウは眉をキュット寄せた。
「リョク様、頭の中を空っぽになさって下さい。
私がお守り致します。」
広い庭園の中央に立つ2人を遠巻きに囲む民たちは、今か今かとその時を待っている。
そんな矢先、コクリュウは向かい合って立っていたリョクをそっと腕の中に抱き寄せ、たくましい体からゆらゆらと神々しい透明感のある黒い光を放った。
それを見て民たちの表情がほぅと緩む。儀式は静かに幕を開けた。
竜王の生気は天界中の隅々にまで行き渡り、ありとあらゆるモノへと届けなくては意味がない。広大なこの天界を統べる者として絶対の信頼をえられなければ、君臨できようはずもないのだから。
「リョク様、大丈夫ですか?」
「うん。」
「私が誘導致しますから。
全てを私に委ねてください。」
「うん。」
こくんと頷くリョクの顔は言葉とは裏腹にどこか不安げで、コクリュウは眉をキュット寄せた。
「リョク様、頭の中を空っぽになさって下さい。
私がお守り致します。」
広い庭園の中央に立つ2人を遠巻きに囲む民たちは、今か今かとその時を待っている。
そんな矢先、コクリュウは向かい合って立っていたリョクをそっと腕の中に抱き寄せ、たくましい体からゆらゆらと神々しい透明感のある黒い光を放った。
それを見て民たちの表情がほぅと緩む。儀式は静かに幕を開けた。