竜王様のお約束
「でも・・・もともとコハクさんとコウリュウさんは恋人同士でしょ?
コウリュウさんをそんな風に言うのは、筋違いだわ。
ハクリュウを恨むなら、話は分かるけど。
コハクさんと強引に婚約したのは、ハクリュウなのよ。」


「アハ・・・。
それは、先代のセイリュウ王を牽制するためだろう?
ハクリュウ王の婚約は、本気じゃないもん。」


「・・・・・・・・・・。
キリュウさん。
あなたどうして、その事知ってるの?」


勘ぐる様に伺うヤヨイにキリュウは、聞いてほしいような、そうでないような、どっちつかずの声色を出した。


「それ・・・聞いちゃう?」


キリュウのとぼけた答えに、ヤヨイはためらいがちに本心を呟いてみる。


「聞き・・・たい・・・です。」


「アハ・・・。
ヤヨイは、正直なんだね。」


キリュウは、軽く苦笑すると、真面目な顔をした。


「大前提として僕はね・・・選ばれし、優秀な龍なんだよ。
そこ大事だから、忘れないでね、ヤヨイ。」


どうでもいい念押しをしてから、キリュウは喋り始めた。
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