竜王様のお約束
ハクリュウは隣に座るヤヨイの肩に手を回し、楽しむように髪を撫でた。
「愛する者と共にある事。
我には、これ以上の幸せは考えられぬ。
どんな贅沢も、どんな能力も、ヤヨイが側に居ねば、無いに等しい。
お前が竜王を引き受けてくれた事、これでも感謝しておるのだ。
だからコウリュウ・・・。
お前には、こんな満たされた生活を、取り戻してほしい。
コハクを忘れろとは言わぬ。
イオリを愛でてやれ。」
「兄上。」
コウリュウは、うっすらと潤んだ瞳を隠すため、無理矢理眉を潜めて見せた。
「そうですよ。
元はと言えば、兄上のせいではないですか。」
「ほぅ。
我にその様な口の聞き方をするか。」
「もう!ハクリュウったら!」
意地悪い笑いを浮かべたハクリュウを、軽くたしなめて、ヤヨイはコウリュウに向き直った。
「天界に帰ったら、早速イオリさんに申込んで下さいね。
イオリさんは、龍の一族ではないかもしれないけど、誰よりもコウリュウさんの理解者だし、王妃様にも相応しい女性だわ!」
ヤヨイの脳裏には、赤い髪をした日本人形のようなイオリの、はにかんでいる姿が、浮かんでいるのだった。
「愛する者と共にある事。
我には、これ以上の幸せは考えられぬ。
どんな贅沢も、どんな能力も、ヤヨイが側に居ねば、無いに等しい。
お前が竜王を引き受けてくれた事、これでも感謝しておるのだ。
だからコウリュウ・・・。
お前には、こんな満たされた生活を、取り戻してほしい。
コハクを忘れろとは言わぬ。
イオリを愛でてやれ。」
「兄上。」
コウリュウは、うっすらと潤んだ瞳を隠すため、無理矢理眉を潜めて見せた。
「そうですよ。
元はと言えば、兄上のせいではないですか。」
「ほぅ。
我にその様な口の聞き方をするか。」
「もう!ハクリュウったら!」
意地悪い笑いを浮かべたハクリュウを、軽くたしなめて、ヤヨイはコウリュウに向き直った。
「天界に帰ったら、早速イオリさんに申込んで下さいね。
イオリさんは、龍の一族ではないかもしれないけど、誰よりもコウリュウさんの理解者だし、王妃様にも相応しい女性だわ!」
ヤヨイの脳裏には、赤い髪をした日本人形のようなイオリの、はにかんでいる姿が、浮かんでいるのだった。