恋の扉をこじあけろ
「ちょっと待って」
バッグを取るために立ち上がろうとしたわたしの肩を先生が押さえて、立ち上がれなかった。
「はい、これ」
「え?」
どこから取り出したのか、可愛い袋を手渡されて戸惑っていると先生がにっこりと笑った。
「誕生日おめでとう」
ぽかんとして先生を見上げた。
驚きのあまり声が出せないでいるわたし。
「一日フライングしたけど、遅くなるよりはいいかと思って」
わたしの誕生日は明日。
7月23日。
先生、気づいてたんだ…
もしかしたら、診察日を変えたのも、このため…?
「本当はこういうの禁止なんだけどね。内緒だよ」
先生が人差し指を唇に当てて、しーっと言った。
こんなにそのポーズが似合う人がいるなんて奇跡だ。
他の人がしたら鳥肌ものなのに。