恋の扉をこじあけろ


的井先生に行こうと促されて、しぶしぶ冬実たちが待つ部屋に向かった。


冬実と川崎さんはもう席についていて、必然的に先生とわたしが隣同士になった。


なんか、うれしい。


薔薇の花は、冬実の手によりテーブルの真ん中に飾られている。


「花瓶、勝手に借りちゃいました」


「ああ、いいよ。よく見つけたね」


「シャンパンも買ってきた。二人とも飲めるだろ?」


川崎さんがシャンパンを開けようとしていて、冬実は心なしか距離を取ろうとしている。


「わたしグラス取ってきますね」


席を立ったわたしを的井先生が振り返った。


「場所わかる?」


「さっき見つけました」


先生の部屋の中を好き放題探索しまわったわたしは、グラスがある場所を把握していた。


四人分のグラスを持ってくると、川崎さんがグラスに注いでくれた。


透明な金色の液体が、グラスの中で上品に輝いている。

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