恋の扉をこじあけろ
感動で涙がじんわり浮かんできたわたしの横で、的井先生が唐揚げを頬張った。
「うん、美味しいな」
ぽっと顔が熱くなった。
先生も、優しいね…。
嬉しい。
胸がドキドキする。
「うまいけど、冬実ちゃんが作った料理のほうがうまいよ」
同じように唐揚げを食べた川崎さんが、テーブルの向こうで言った。
うるさいな。
空気読みなさいよ。
川崎さんを睨みつけたけど、彼はわたしの睨みなんて気づかないで料理をぱくぱく食べている。
「それでー、聞いて下さい川崎さん…」
冬実が川崎さんに話しかけると、川崎さんは食べながらも冬実の話を聞いている。
元彼のグチかもしれない。
今日はお酒があるから。
「牧原さん、食べないの?」
料理に口をつけないわたしを心配してか、的井先生がわたしの顔を覗き込んできた。