†captivity†(休載)
──先輩
そんな逃走劇が幕を閉じた次の日の放課後。
校門の前には、なぜか知歌があたしを待っていた。
それはいつものメンバー(緒方先輩・東先輩・奏多くん)と共に帰ろうとした時だった。
「和歌!」
声をかけられたその声に反応すれば、やっぱり知歌がいたのだ。
「……知歌?」
「あ?」
『知歌』という名前にどうやら反応を示したらしい緒方先輩を置いて、あたしは知歌に駆け寄る。
「こんなところでなにしてるの?」
「和歌待ってたんだよ」
すると知歌は他三人の方を向いて、ニヤリと笑った。
「ふーん、あの小さい子はこの前会ったけど、他二人は知らないな。いつも和歌の話に出てくる人?」
「うん、メガネが東先輩で、もう一人が緒方先輩」
「で、本命どっち?」