†captivity†(休載)


……ホンメイ?

知歌の言葉の意味が理解し難く、聞き返す。



「ホンメイって?」

「……。じゃあ和歌、アト付けた奴、どれ?」



急に真顔になり、声のトーンが落ちた。

知歌の機嫌が急降下した!?

どうしてなのかわからずオロオロするあたし。

すると今度は先輩二人に視線を向けて言った。



「俺の和歌に跡付けやがった野郎はどこの誰」



どうやら知歌はこの首のアトをつけた犯人(緒方先輩)を探している様子。

朝はここまで機嫌悪くなかったと思うけど……。



「お前こそ誰だ」



ふと、口を挟んだのは緒方先輩。

あぁ、ケンカになるようなことだけはやめてほしい。

ほら、奏多くんが仔犬のようにびびって、東先輩の後ろに隠れてしまったじゃないか。



焦り出すあたしを置いて、二人の会話は続く。



「アンタなの?」

「だからお前誰だよ」

「和歌に一番近い存在だよ。アンタこそ誰」

「……っざけんなよ?俺だって和歌のこと──」



パンッパンッパンッ

直後、手を叩く音と共に、二人に割入った人がいた。



「そこまでにしないと沈めるよ、お二人さん」



鬼畜悪魔こと東先輩である。
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