†captivity†(休載)


「沈っ……!?」



笑顔をひきつらせたまま、あたしに顔だけ向けてくる知歌は、きっと今の一言だけで悟ったんだろう。

この人は敵に回してはいけない類の人だろうと。



「ちょっと和歌!」



ぐいっと腕を引かれるあたし。

見るとまぁ知歌があたしの腕を引いていた。

結構あたしたち姉弟のスキンシップは日常茶飯事なので、特に気にすることもなく、されるがままになる。



「なに知歌」



男にしては割と小さな背の知歌は、女性標準のあたしと並ぶと数センチしか違わない。

奏多くんとそう変わらないんじゃないだろうか、なんて観察してしまった。



「和歌、お前、男はちゃんと選べよ?」



耳元でそう囁かれ、なんのことやらサッパリのあたしは、首を傾げた。



「なんだって?」

「だから、いくらなんでもこの人選はどうなの?ってこと。どう見ても腹黒とヤンキーだよね?」



腹黒……というのは東先輩だろう。

その通りである。

彼は腹黒鬼畜野郎だ。



ヤンキー……とは、緒方先輩?

……しかいないよね。

あたしは二人に視線を向ける。
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