†captivity†(休載)


ずっと気を張っていた。

気付けずにいた。

不安や目先の心配事ばかり気にかけていた。

そんな怒涛の1ヶ月は、楽しくもあり、刺激が強すぎてもいた。



母は立ち、あたしを振り返る。



「あとでゆっくり、その話聞かせてちょうだいね」



そう言い手を振って、部屋を出てドアを閉めて行った。



薄暗い静かな部屋に、再び一人。

ベッドに横になり、この1ヶ月のドタバタした毎日を思い返しながら、眠りについた。



奏多くんとは、過去の話と灯くんの話と、東先輩の話も少し聞いたっけな……。

東先輩……前は優しかったらしいけど、全然想像も出来ないけど、でもきっとあんなに性格歪むくらいに苦しいことが、起きたのかな……。

緒方先輩……心くん、どっちの呼び方も持ってる印象が違すぎて少し戸惑いもある。

でも、緒方先輩が名前で呼んでほしいと言うのなら、あたしもそう呼びたい。

和歌って、呼んでくれるあの声が、とても好きで、心地が良いから……。











あの人たちと関わるのは大変なこともたくさんあるけど、

それでも

もっと、ずっとずっと一緒に居たいな。










目を覚ますと、今度はちゃんと自分の部屋にいるよな?と一度確認してから、ケータイの画面を開いた。

時刻は11時半、メールが4通来ていた。

もはや濃ゆい先輩方の存在に掻き消されてしまっているが、ちゃんとクラスにいる友達二人、と、灯くん、奏多くんからも。

奏多くんは、灯くんからあたしが休んでいることを聞いたのかな。


寝る前に重かった気持ちは、今では晴れていた。

泣いたし、寝たし、スッキリしている。

ただ少し、頭痛はあるけれど、動ける。

なにより友達に会いたいと、遅れちゃったけど学校へ行きたいと思い、私は準備を始めた。

お昼が近かったため、母が用意してくれた昼食を食べてから学校へ向かった。



今日はきっと、心くんは朝のまま更新を続けているのだろう。

どんな顔して会えばいいのかわからないから、少しホッとした気持ちと、会えないのが残念な気持ち、両方ある。

朝、既に会ってたのに、もう恋しくてしかたない。

スクールカバンを持ち、母に説明し、いざ昼の学校へ。
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