†captivity†(休載)


場所をあたしの席へと変更してから(スクールバッグを置いて)噂の説明をする。



「あー、壁とマンションと学校のお偉いさんと繋がってる部分は合ってるかな。実際暴力沙汰はなかったはずだよ、この辺りの支配者かどうかはちょっとわからないけど」

「そこちょっと濁されるととても不安になるんだけど」



さすがの灯くんでもやはり全ての噂の真相を知っているわけではなかった。



「本人に聞いてみれば全部解決するんじゃない?命の保証はちょっと出来ないけど」



なんとも無責任なアドバイスを頂いた。

まぁ灯くんも、心くんが手出すような人じゃないと知っていてそんなことを言ってるんだろうけど。



「緒方先輩?ってやっぱり危険な人なの?たきっち」

「和歌、ウチらずっと味方ではいるけど、なにかあっても責任は取れないから、自分の身は自分でちゃんと守んなね」

「肝に銘じておきます…」



みんな、不安になるようなこと言わないでほしい。

確かに再会してまだ1ヶ月しか経っていないのだから、完全に信用出来る人だとは言えないけれど……。

そこまでの信頼関係を築くには、まだ日が浅いのだ。



「いざとなったら茅ヶ崎に相談してくれればこっちまで情報まわるから」

「その奏多くんに何度か裏切られたことがあるのですが(緒方先輩が好きすぎて)」

「茅ヶ崎も先輩二人を信用してるからね。本当にダメなことだと判断すれば、ちゃんと人を頼れる人だよ。付き合い一番長い俺が保証する」



ニコッと笑ってそう言い切ってくれた灯くんに、ようやく安心できた。

本当に彼はいい人だ。



だがしかし、ふと奏多くんというワードで思い出したけど、あたしは奏多くんたちにも付き合い始めた報告をしないといけないんじゃないだろうか、と。

あたしから?

いや、心くんから?

でも元々は心くんの友達なのだから心くんが報告するのが自然な流れでは?

でも今日、心くんは学校へ来ていないだろうし……。



「和歌……?」

「あ、ごめん、付き合い始めた報告ってどちらからすればいいのかと思……あ。」



ポロリと、口から出してしまったけれど。

あまりにも自然に今まで通り話しかけてくれるから一瞬忘れていたけれど。

あたしは灯くんを、つい昨日振っていた身であって……。

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