†captivity†(休載)


無神経、だったのでは……!?

ハッと気付いたあたしはすぐ灯くんの様子を視界に入れる。



その挙動不審ぶりを見てみくちゃんに心配されるあたし。



「和歌どうしたの?」

「あ……いや」



なんと気まずい空気を作ってしまったのか。



灯くんは、奏多くんや東先輩との関係を隠している。

奏多くんや東先輩との繋がりを話さないように気を付けていたこともあり、すずちゃんとみくちゃんには灯くんとの話をしていないのだ。

灯くんに、告白されたことも。



だからあたしのこんな気まずい気持ちだって彼女達は知らない。

だからといって灯くんに説明するにも、言い訳じみてしまいそうで、そしたら二人が違和感を持つだろうから……え、詰んだ。

あたし、詰んだわ。

どうすればいいのかパニックになっていると。



「うん?とうとう付き合うことになったの?」



そう、柔らかい口調で問いかけてくる、灯くんの声が耳に入る。



「え、たきっち知ってたの?そういう雰囲気になってたの」

「あー、うん、一緒にいる所見てたらなんとなくね」



彼はあたしに笑いかけてくれる。



「おめでとう、和歌」



──ごめんなさい。

こんな急な、ポロリと落ちてしまった言葉で傷付けて。

それでも彼は、表には出さないでいてくれて。



「……ありがとう」



彼の気遣いを、殺さないように

あたしは笑みを作る。

ごめんなさいと、ありがとうと、強く強く心に抱き締めて。

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