†captivity†(休載)
チャイムの音が響くと、もう昼休みが終わる合図。
いつものあの特別教室には、結局行かなかった。
少しホッとしている自分と、不安な気持ちの自分がいる。
心くんはもう、二人に報告したのだろうか。
いや、『更新』に集中していたら一切連絡を取らなくなる彼だから、していない気もする。
結局あの二人に自分から報告をすることが、自分は怖いのだ。
授業が終わりケータイを見ると、奏多くんからまたメッセージが来ていることに気付いた。
『和歌、学校来てるの?』
それに『来てるよ』とだけ返す。
その直後、灯くんがあたしの前に現れた。
「和歌行こう」
「え?」
「そこ、廊下に茅ヶ崎いるから」
そう言って苦笑いする灯くんに、一瞬理解が追いつかなかった。
……え?
奏多くんがいる……とは?
廊下に視線を向けると、扉の陰に隠れた奏多くんがじっとあたしを見ていた。
視線が合うとぱぁぁぁっとにこやかな笑みを浮かべて軽く手を振ってくれている。
なにあの可愛過ぎる生き物……。
直後、和歌は机に頭をゴンッ打ち付けて、煩悩を退治してから奏多くんの元へと向かいました。
「わ、和歌……?」
「なぁに?奏多くん」
あたしはにっこり笑う。
「……だ、大丈夫……?」
「あ、ごめんね、今日午前中いなくって、おかげでちゃんと休んでから来れたから」
「それも、だけど、今、今の、おでこ……」
「うん?じゃあ行こっか、奏多くん」
後ろから付いてきた灯くんも、頭に手を当てて呆れた顔をしていたのが見えた気がしないでもないけれど、気にしない。
あくまでさっきの行動はなかったことにしたかった和歌ですが、後ろでクラスメイトたちが怯えてあたしたちを見送っていたことには気付かないまま、玄関へ向かったのでした。