†captivity†(休載)
少しショックを受けて放心しているあたしを、心くんがギュッと抱きしめてくれる。
盗撮だなんだと騒いだこともあったくせに……あの鬼畜先輩はまったく……。
「和歌?」
「ん……あたしもデータ、ほしいです」
「後で送ってもらう」
「はい」
先程よりずっと強い力でギュッと抱きしめられるあたし。
なんだかその力がいつもより強くて、どうしたのだろうと思っていると。
「和歌」
「はい?」
「お前付き合ってた奴とか、いないよな?」
――そんな彼の言葉に、どんなに記憶の中を探そうがそんな存在がいた覚えもないあたしは、静かにその胸の内で頷く。
急にどうしたのか。
「ファーストキスすら、心くんでしたよ?」
「お前あの時容赦なく俺の股間蹴ったよな……」
「あれは!!急に野獣化したから!!自業自得です!!」
その前からあたしを俵担ぎしたり、勝手にキキキキスマーク、付けたり、なんかいろいろしてきて、あたしはいっぱいいっぱいだったのだ。
「で、今はもう慣れて来たか?」
「……はい?」
心くんの力が緩み、少し距離が出来たかと思いきや、見上げた時にはすでに彼の唇があたしのそこに触れていた。
どくん、と強く打つ鼓動。
返事を返すのに距離を取ろうと思ったのに、首の裏を支えられていて離れない。
彼の唇が少し開いたのを感じると、そこから生暖かいものが出てきて……まって、ねえ待って、舌!?これ舌なの!?舐めてる!!?
パニックになるあたしは彼を押し返そうとするけれど、あたしの力なんて微々たるもので、下唇を舐め、上唇を舐め、唇で挟んで音を立てて来るそこに、また鼓動がドクドクドクドクと早鐘を打つ。
待って、とそう口を開こうとしたとき、唇が深く口付けられ、ぬるりとしたものが口内まで侵食してきて、あたしの思考はもう完全に真っ白になる。