瑠哀 ~フランスにて~
強張ったその目が、瑠哀の言葉を聞きながら、未だ、受け入れる様子は見えなかった。
ギュッと、ユージンを強く抱え直し、今にもまた逃げ去りそうな勢いになる。
瑠哀は慎重に女の前に立っていた。
女を見据えているその強い眼差しの片隅で、後ろの気配を息を呑んで見守っていた。
朔也が一歩動く。その腕が女に伸びた―――
「あっ―――!?」
瑠哀が一歩前に出た。ドン、と女に体当たりするように、その一歩で女を突き飛ばす。
朔也が後ろから女の腕を取り上げ、瑠哀が突き飛ばしたその反動で朔也がユージンを抱きとめた。
ドンッ、と後ろに飛ばされ尻餅をついた女の上に、一緒に倒れた瑠哀が乗り上がる。
「離してっ!!」
「きゃっ―――」
咄嗟の抵抗で、女が振り上げた腕に払われて瑠哀がその横に飛ばされた。
「ルイっ!」
「そこまでだよ」
その場に全くそぐわない、冷たい一言が投げられた。
―――と同時に、ズキューン―――と、一瞬、耳をも轟かす激音がその場を走り抜けて行った。
朔也も瑠哀もバッと後ろを振り返った。
「―――リチャードっ!?」
「動くな」
ギュッと、ユージンを強く抱え直し、今にもまた逃げ去りそうな勢いになる。
瑠哀は慎重に女の前に立っていた。
女を見据えているその強い眼差しの片隅で、後ろの気配を息を呑んで見守っていた。
朔也が一歩動く。その腕が女に伸びた―――
「あっ―――!?」
瑠哀が一歩前に出た。ドン、と女に体当たりするように、その一歩で女を突き飛ばす。
朔也が後ろから女の腕を取り上げ、瑠哀が突き飛ばしたその反動で朔也がユージンを抱きとめた。
ドンッ、と後ろに飛ばされ尻餅をついた女の上に、一緒に倒れた瑠哀が乗り上がる。
「離してっ!!」
「きゃっ―――」
咄嗟の抵抗で、女が振り上げた腕に払われて瑠哀がその横に飛ばされた。
「ルイっ!」
「そこまでだよ」
その場に全くそぐわない、冷たい一言が投げられた。
―――と同時に、ズキューン―――と、一瞬、耳をも轟かす激音がその場を走り抜けて行った。
朔也も瑠哀もバッと後ろを振り返った。
「―――リチャードっ!?」
「動くな」