瑠哀 ~フランスにて~
-2-
「やっぱり、南の方は暖かいのね」
瑠哀は渇いた風を頬に受けながら、辺りの風景を見渡した。
パリとはまた違った雰囲気があり、近くで海の香りがする。
パリから、ここニースまで飛行機で来た。
こんな数時間の旅で南に来る予定ではなかったが、昨日、あの話を終えた後、ピエールがニースに別荘を持っている、と言うので、ここに来ることになった。
「色々廻りたいなら、ニースでも構わないだろう?
モナコも、イタリアも近いから、好きなところに行けるよ」
と、ピエールは言う。
イタリアまで足を伸ばすつもりは無かったので、瑠哀は少々面食らった。
どうやら、瑠哀の色々廻りたい、と、ピエールの色々廻る――が少しずれているようだった。
「―――ねえ、これがピエールの別荘?」
空港から来るまで連れてこられた家を見て、思わず疑ってしまいたくなった。
ピエールは、そうだよ、と答える。
大きな扉の前に車が寄せられ、その扉から誰かが出てきた。
「よくお越し下さいました、ピエール様。
お部屋の用意は整えてあります」
ピエールはそれに頷く。
「僕宛の電話は一切受け付けないでくれ。
用があるなら、オフィスの方に連絡するように」
「かしこまりました」
ピエールは、その年の行った男性に何かを言いつけながら、中に入って行った。
車を運転してくれた男が荷物をおろしてくれる。
瑠哀は荷物が全部下ろされるのを待っている間、辺りを見渡すようにした。
『……これって、どう見ても、別荘じゃなくてお屋敷よね』
瑠哀は渇いた風を頬に受けながら、辺りの風景を見渡した。
パリとはまた違った雰囲気があり、近くで海の香りがする。
パリから、ここニースまで飛行機で来た。
こんな数時間の旅で南に来る予定ではなかったが、昨日、あの話を終えた後、ピエールがニースに別荘を持っている、と言うので、ここに来ることになった。
「色々廻りたいなら、ニースでも構わないだろう?
モナコも、イタリアも近いから、好きなところに行けるよ」
と、ピエールは言う。
イタリアまで足を伸ばすつもりは無かったので、瑠哀は少々面食らった。
どうやら、瑠哀の色々廻りたい、と、ピエールの色々廻る――が少しずれているようだった。
「―――ねえ、これがピエールの別荘?」
空港から来るまで連れてこられた家を見て、思わず疑ってしまいたくなった。
ピエールは、そうだよ、と答える。
大きな扉の前に車が寄せられ、その扉から誰かが出てきた。
「よくお越し下さいました、ピエール様。
お部屋の用意は整えてあります」
ピエールはそれに頷く。
「僕宛の電話は一切受け付けないでくれ。
用があるなら、オフィスの方に連絡するように」
「かしこまりました」
ピエールは、その年の行った男性に何かを言いつけながら、中に入って行った。
車を運転してくれた男が荷物をおろしてくれる。
瑠哀は荷物が全部下ろされるのを待っている間、辺りを見渡すようにした。
『……これって、どう見ても、別荘じゃなくてお屋敷よね』