瑠哀 ~フランスにて~
「―――どうやって?」
今度は、朔也が驚きを表し瑠哀を見返した。
一瞬の沈黙が降り、お互いに顔を見合わせる。
「……ああ、ごめんなさい。
――守る、なんて言われたことがないから。
守られる、とも思ったことはないし…」
瑠哀は軽く息をついた。
「…私は、誰かの背中に守られて黙っているような女じゃないわ。
私は、守られて安全と思っているより、
守られていないから自分の身は自分で守るしかない、と考えるほうなの。
誰かの後ろでただ守られていることは、とても簡単で、羨ましいと思う。
でも、それだったら、私を守ってくれる人は、誰が守るの?
私を守っている間、その人は自分の身と私のとの両方の安全を、どうやって確保するの?」
「俺には、その力がない――と、君は思っているの?」
瑠哀は首を振る。
「……私は、大人しく誰かの後ろに収まっている女じゃない、と言ったでしょう。
私が動く分だけ、私を守ってくれる人の命が危険にさらされる。
私が安全なのは、その人が私の盾になってくれているからだわ。
もし、私のせいでその人を失ったら、私はどうしたらいいの?
私は守られていたから良かったわ、って言えばいい?」
今度は、朔也が驚きを表し瑠哀を見返した。
一瞬の沈黙が降り、お互いに顔を見合わせる。
「……ああ、ごめんなさい。
――守る、なんて言われたことがないから。
守られる、とも思ったことはないし…」
瑠哀は軽く息をついた。
「…私は、誰かの背中に守られて黙っているような女じゃないわ。
私は、守られて安全と思っているより、
守られていないから自分の身は自分で守るしかない、と考えるほうなの。
誰かの後ろでただ守られていることは、とても簡単で、羨ましいと思う。
でも、それだったら、私を守ってくれる人は、誰が守るの?
私を守っている間、その人は自分の身と私のとの両方の安全を、どうやって確保するの?」
「俺には、その力がない――と、君は思っているの?」
瑠哀は首を振る。
「……私は、大人しく誰かの後ろに収まっている女じゃない、と言ったでしょう。
私が動く分だけ、私を守ってくれる人の命が危険にさらされる。
私が安全なのは、その人が私の盾になってくれているからだわ。
もし、私のせいでその人を失ったら、私はどうしたらいいの?
私は守られていたから良かったわ、って言えばいい?」