森の人
長かった夏休みも終わり、二学期が始まった南山高校。

そのグラウンド。

「危ないっ」

九月も半ば、夏休みボケの頭も徐々に回復しつつある頃。

「早く保健室へ」

この季節の定番、体育祭の、二年生の演技である組み体操の練習中。

「大丈夫か」

半ズボンに上半身裸の男子生徒達が、一ヶ所に集まる。

「だ、大丈夫です」

駆け付けた体育教師の呼掛けに、しっかりと応える、その中心人物の拓也。

「先生、僕が藤川君を保健室まで運びます」

そう言って澤山は、地面に横たわっている拓也を、体育教師と一緒に抱き起こし、拓也の腕を自分の肩にかけると、保健室へ歩き出した。

「大丈夫?」

ふらつきながらも、しっかりと拓也を支え、心配する澤山。

「ああ、たいしたことないよ」

組体操のメイン、四段タワー。
その下から二段目の拓也。

今日は上段と下段、それぞれ二段ずつに別れての練習。
下段が組み上がった時、バランスを崩した拓也が、地面に落ちたのだ。
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