森の人
ガラガラ…

「失礼します」

保健室の戸を開け、養護の先生を捜す澤山。

「誰もいないみたい」

人の気配のない保健室を見回す澤山。

「ベッドに横になった方がいいよ」

そう言って拓也をベッドに寝かした。

「ありがとう」

横になった拓也は、そう言って澤山に微笑むと、天井を見つめ、

「ホント、情けないよな」

と、ため息をつくように呟いた。

「そんなこと」

急に弱気になる拓也に気遣う澤山。

「そんなこと、あるよ」
「本当の俺は、情けなくてどうしようもない奴なんだ」

普段、澤山には見せることない、哀しい表情で天井を見つめる拓也。

「拓也君…」

澤山の胸を、切なく、愛おしい感情が襲う。

「拓也でいいよ。茂」

普段の爽やかな顔に戻り、澤山に優しく微笑みかける拓也。

それが更に、澤山の胸をしめつける。

「何かあった?」

そう言うと、無意識のうちに拓也の手を握っていた。
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