森の人
「ねぇ、ちょっと休まない?」

息を切らせながら、サヤカが言った。

「駄目だ。早くしないと茜が」

聞く耳持たない拓也。

「ちょっと!さっきから茜、茜って、茜を助ける前に私達が倒れちゃうわよ」

振り返る拓也。

見ると、サヤカだけでなく、澤山とコウヘイも疲労困憊のようだ。

「そうだな」

そう言って、平坦な部分を探し、荷物を置く拓也。

「ここで休もう」

その声に四人は荷物を置くと、一気に座り込んだ。

「…」

無言の三人。

三人から離れた所で独り座り、考え事をしている拓也。

そんな拓也を見た澤山は、沢で顔を洗い、ペットボトルに水を入れると、拓也の所へ行き、

「これ、どうぞ」

と言って、ペットボトルを渡した。
< 53 / 133 >

この作品をシェア

pagetop