森の人
やがて、藪の隙間から、巨大な岩が見えてきた。

藪はその岩の手前で終わっているが、その先は、下りの急斜面になっている。

その斜面の下は平地で、その平地を隔てた所に、藪の中から見えていた巨岩がそびえ立っている。

正面には洞穴がある。

「奴の巣だ」

藪の中から、体を伏せ、そっと様子を伺う四人。

「一匹?」

洞穴周辺の様子を見るコウヘイ。

「茜は?」

必死に探す拓也。

「外にはいないみたいですね。洞穴の中にいるのかもしれません」

コウヘイのその言葉に、洞穴の中を見ようとする拓也。

「駄目だ。中の様子はここからではよく見えない」

その時、一匹が洞穴の中から何かをくわえて出てきた。
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