森の人
「何でしょう?」

目を凝らして見るコウヘイ。

「靴!茜の靴だ!」

大声を出して起き上がる拓也。

その声が聞こえたのか、四人がいる方を見る、二匹の獣。

すぐ様、しゃがみ込む拓也。

「…」

息を潜める四人。

「見つかった?」

不安そうにサヤカが言う。

しかし、二匹は襲いに来る様子はなく、そのまま洞穴の前にいる。

「助けに行こう」

歯をくいしばり、拳を力一杯握り締め、拓也が言った。

「でも、どうやって?二匹共洞穴の前にいて、入れそうもないわ」

洞穴の前では、一匹が座り込み、もう一匹がその前を、行ったり来たりしている。

「あっ!」

そう言って澤山が獣の方を指差す。

「一匹がどこかに行きます」

洞穴の前をウロウロしていた一匹が、その場を離れた。
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