極上御曹司のイジワルな溺愛
タクシーで向かったのは、一軒家の古い洋館。入り口らしき扉の前には、『ダイニングバーZEN』と書いた看板が出ている。
「馴染みの店だ。バーだけど、飯がとにかく旨い」
それだけ言うと蒼甫先輩は、重厚なドアを開け中へと入っていく。私も蒼甫先輩の後について店の中へ入ると、異世界にでも迷い込んだような錯覚に陥る。
「何、これ……」
古い洋館の中は中世の雰囲気が漂う、細かい装飾が施された家具で溢れている。淡い光のランプも古いものだろう。味わいのある渋い輝きを放っていた。
「椛、さっさと来いよ」
蒼甫先輩に呼ばれ、店の奥にゆっくり足を踏み入れる。
「先輩。素敵なお店ですね」
キョロキョロしながら蒼甫先輩の隣に座り、興奮気味だった気持ちを落ち着かせていると、カウンターの奥から品の良さそうな紳士が現れた。
「やあ、蒼甫。一ヶ月ぶりか? 忙しそうだな」
「マスター、お陰さまで。毎日、こき使われてますよ」
気心の知れた仲なのか、こき使われてるなんて言いながらも、蒼甫先輩は穏やかな表情を見せる。
いつもよりも砕けた話し方に、マスターは男性なのに嫉妬してしまいそうだ。
「馴染みの店だ。バーだけど、飯がとにかく旨い」
それだけ言うと蒼甫先輩は、重厚なドアを開け中へと入っていく。私も蒼甫先輩の後について店の中へ入ると、異世界にでも迷い込んだような錯覚に陥る。
「何、これ……」
古い洋館の中は中世の雰囲気が漂う、細かい装飾が施された家具で溢れている。淡い光のランプも古いものだろう。味わいのある渋い輝きを放っていた。
「椛、さっさと来いよ」
蒼甫先輩に呼ばれ、店の奥にゆっくり足を踏み入れる。
「先輩。素敵なお店ですね」
キョロキョロしながら蒼甫先輩の隣に座り、興奮気味だった気持ちを落ち着かせていると、カウンターの奥から品の良さそうな紳士が現れた。
「やあ、蒼甫。一ヶ月ぶりか? 忙しそうだな」
「マスター、お陰さまで。毎日、こき使われてますよ」
気心の知れた仲なのか、こき使われてるなんて言いながらも、蒼甫先輩は穏やかな表情を見せる。
いつもよりも砕けた話し方に、マスターは男性なのに嫉妬してしまいそうだ。