極上御曹司のイジワルな溺愛

敷地内とは言え、ここは建物の外。

誰かに見られていることはなくても、声が聞こえてしまう可能性はゼロではない。

急に冷静になるととてつもない羞恥心が襲ってきて、慌てて蒼甫先輩から体を離した。

「なに?」

眉間にシワをこしらえた蒼甫先輩が、不機嫌な声を出す。

「部屋、戻りませんか? ここだと声が……」

……って私、何言ってるんだ。これじゃあ、この後の行為を期待していることがあからさまだ。

恥ずかしい──

とにかくこの場から離れようと立ち上がると、その体がふわっと浮いた。

え? なに──

でもすぐに、自分が蒼甫先輩に抱きかかえられているのだと気づく。

「いちいち降ろせとか、ギャーギャー言うなよ」

そう言われては、何も言うことができない。

バスタオルを巻いてるせいでお湯は下垂れ放題だし、なんとなく体が重たい。

でも蒼甫先輩はそんなことも気にせずスタスタと歩き、されるがまま大人しくしている私を脱衣場でゆっくり下ろした。

「体拭くから、バスタオルはずして」
「あ、はい……って、えぇっ!? いいですよ、拭くぐらい自分でできますから!」
「ギャーギャー言うなって言ったはずだけど? ほら、早くして」

私はあたふたしているというのに、蒼甫先輩は淡々としていて。



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