極上御曹司のイジワルな溺愛

「わざわざ来ていただいて、すみませんでした」

「何を言っている。ここに来たのは他でもない。ひとつ提案があってな」

「提案、ですか?」

その意味がわからなくて小首をかしげると、会長がフッと笑った。

「うちの可愛い従業員が、また倒れたりでもしたら大変だ。どうだろう、うちで暮らさないか?」

「う、うちと言うのは?」

「雅苑の敷地内にある、私の自宅だ。ゲストルームがたくさん空いている。好きな部屋を使ってくれて構わない」

会長の自宅!? あの立派な豪邸で暮らせっていうの? そんなの恐れ多くて、できるわけないじゃない。

「め、滅相もございません。会長に迷惑をお掛けするわけには……」

「そんな遠慮する仲じゃないだろ? 私と妻は最近ホテルで過ごすことがほとんどだが、通いで手伝いに来てもらっている千夜さんもいて夕食付きだ。家賃もいらない。職場まで歩いて五分とかからない、最高物件だぞ?」

会長はそう言って高らかに笑うと、決定事項のように話を続けた。



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