極上御曹司のイジワルな溺愛

「驚かせてしまったようで、申し訳ありません。もしかして、椛さんではありませんか?」

「はい、里中椛です。あなたが千夜さんですか?」

彼女が「はい」と答えると、ぺこりと頭を下げた。

「今日からお世話になります。突然こんな事になってしまい、申し訳ありません」

ここで暮らすことを勝手に決めたのは会長だが、その原因を作ったのは私。丁寧に挨拶を済ませると、家の中へと案内された。

「慶悟さまからもお聞きだとは思いますが、ご自分の家だと思ってご自由にお過ごしください。いろいろとご説明する前に、まずは椛さんのお部屋をご案内いたしますね」

そう言って通されたのは、階段を上がってすぐの二階のゲストルーム。「こちらでございます」と放たれた室内を見て思わず絶句してしまう。

この部屋は何畳あるの?

実家のリビングよりも広い空間に、アンティーク調の素敵な家具が取り揃えられている。大きな窓には白をベースに色とりどりの花柄がデザインされたカーテンが施され、爽やかで落ち着きのある部屋が作り上げられていた。

「私の思うところの大人な女性に見合うお部屋をご用意したつもりですが、お気に召していただけだでしょうか?」

「お気に召すもなにも、こんなに素敵な部屋を用意してもらえるなんて……」

感動を通り越して、恐縮してしまう。



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