極上御曹司のイジワルな溺愛

「蒼甫先輩、今日はありがとうございました。先輩がいなかったら、こんな時間には終われなかったかもしれないです」

謙遜していったのに、蒼甫先輩は相変わらずで。

「まあ、そうだろうな。俺のありがたみを思い知ったか」

なんて言うから、奢るのやめてやろうか! とか思ったりしなかったり。

私の前では傲慢さが売りの蒼甫先輩だが、時折見せる優しさが実は好きだったりする。

もちろん好きと言っても“LOVE”ではない、“LIKE”の方。

なんやかんや意地悪で勝手なことを言うけれど、結局最終的には今日みたいに助けてくれる。

これも先輩後輩のよしみ、だからだろうか。

まあそれがどんな理由だとしても。学生の頃から好きだった蒼甫先輩の笑顔は、今でも天下一品。傲慢だろうが横柄だろうが、なんだかんだ言っても先輩のそばから離れられないんだと思う。



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