極上御曹司のイジワルな溺愛
「先輩、何が食べたいですか?」
「ああ、そうだなぁ。椛、お前は何が食べたいんだ?」
「そうですねぇ……って違います! 今日は手伝ってもらったお礼に私が奢るんですから、蒼甫先輩の食べたいものにしましょうよ。イタリアンなんて、どうですか?」
外でランチなんて久しぶり。デートではないけれど、どうせ行くなら気になっていた店がいいなとイタリアンを提案したが、蒼甫先輩はあっさり却下。
「イタリアンなんて堅苦しい。お好み焼き食べに行くぞ」
と私のことなどお構いなしに、車を発進させてしまった。
「先輩、ホントにお好み焼きでいいんですか?」
「なんだ、椛はお好み焼き嫌いか?」
「嫌いじゃないですけど……」
「だったら、そんな顔するな」
そんな顔って、一体どんな顔だと言いたいんだろう。
よく麻奈美に『椛は思ってることがすぐ顔に出る』なんて言われるけど、もしかしてホントはイタリアンの方が良かったなぁ~的な顔をしてたのか、私。