ひとつ、ベッドの中
外から見上げた凌ちゃんの部屋の電気は消えていた。


立派な一軒家に一人暮らし。


外に漏れるほどの明かりなんてついてないのは分かるけど。




お風呂かな……。


そう思いながら、あたしは鍵穴に鍵を差し、ゆっくり回す。


1階はどこの部屋もやっぱり電気が消えていた。


それとも、まだ時間が早いからバイトかもしれない。


今までも凌ちゃんの留守に一人で待っていたこともあったし、そのまま凌ちゃんの部屋へ向かう。



凌ちゃんは、駅前のカフェでバイトしている。

高校生のくせにマスターもビックりするほどのバリスタで、凌ちゃん目当てで来るお客さんが後を絶たないんだとか。


時々、こっそりのぞきに行ってはバレて叱られる。



ミシミシ……

築20年近い階段は、それなりに年季の入った音がした。


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