ひとつ、ベッドの中
「なんか言ってよ。冗談なのに」


凌ちゃんが椅子の下からあたしの足を蹴った。


……冗談…か。

それはそれで泣きそうになる。


親友の千紗(チサ)狙いでナンパしてきたガラの悪いお兄さんに『妹ちゃん、おねーちゃん貸してくれる?』って言われた。


高校生に見られないどころか、成長してほしい所の成長は著しいほど遅く。

『スポーツブラで十分じゃない?』なんて笑えない冗談を凌ちゃんに言われた。


こんなあたしが凌ちゃんの特別になれるなんて、小指の爪ほども思ってないけど。

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