ひとつ、ベッドの中
2泊3日の修学旅行なんてあっという間。


最終日の夜。
11時を過ぎ、同部屋の千紗はベッドに潜り込んだ。


あたしも、並んだベッドに身を沈める。



「河村先輩と話しできた?」

「ううん」


力なく首を振る。


「来たのが奇跡みたいなもんだよね。一応出席日数に影響するし、先輩の場合来なきゃヤバかったんだろうね」



……そっか。


単位の為に来たんだ。


あたしと話をするために来てくれた…なんて、どこかで抱いていた淡い期待が儚く散る。


< 307 / 423 >

この作品をシェア

pagetop