ひとつ、ベッドの中
…―ひたすら泣いて泣いて…



「……凌ちゃん…どうして?」


ぐちゃぐちゃな顔で、凌ちゃんを見上げた。


「逃げたくなかったんだ。詩織のお母さんからも、自分の過去からも」

「……」

「どんなことがあっても、子供は親を捨てちゃいけない」

「…ごめん……なさい……」


あたしの間違いを、正してくれたんだ。


「こうでもしないと、お母さんに紹介してもらえなかっただろ?」

「……」


< 383 / 423 >

この作品をシェア

pagetop