ひとつ、ベッドの中
口を噤んだあたしの頭上に、凌ちゃんの手が乗る。


「俺だって分かってる。詩織に変な気を使わせて悪かったな」

「……ごめんなさい」


正直に言えなくて。


「今朝……心が痛んだだろ?」

「……」

「迷っただろ?」

「………うん」

「それが親子なんだよ。詩織は、いい子だ」


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