ひとつ、ベッドの中
「え、お母さん……?」


……どうして?


「もう仕事に行ったんじゃなかったの?」

「あら、居たら駄目だったかしら」


つっけんどんに言うところはお母さんらしい。


「ううん。だって仕事だって言ってたから」

「そんなのどうにでもなるのよ、私くらいになると」


自慢する口ぶりがなんだか可笑しい。

目を合わせて、悪戯っぽく笑うお母さんと同じ表情で笑った。

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