ひとつ、ベッドの中
―――…


数学が分からないという口実を作って、夕方凌ちゃんの部屋にやって来た。


「宏太がサッカーの試合に誘ったんだって?」


…黙っていようと思ったのに、バレてしまった。


そういえば、凌ちゃんと阿部君はクラスでも割と一緒にいるっけ。


「それはね、あたしがいつも辛気臭い顔してるから、気晴らししなよって言ってくれただけで…」


冷やかすように言うから、あたしは咄嗟に言い訳がましいことを言った。


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