FatasyDesire~ファンタジー・ディザイア~
Friend ‐ 友達 -
朝目覚めると、左隣にあったはずの温もりが消えていた。
ベッドの下を見るとそこにはキリエが硬い床で気持ち良さそうに寝息をたてていた。
一瞬まさか自分が蹴り落としたのかとギョッとなるが、ぽっかりと綺麗に一人分あいたスペースを見る限り、彼女が転げ落ちたのだとわかった。
右隣に寝ているクロードは極限にまで壁に寄って、まだ寝ている。
だから一人用ベッドに3人寝るのは無理だと、あれほど言ったのだ。
昨夜それを提案してきたキリエを床からクロードの横に移動させてやる。
自分が一人がけの小さなソファーで寝ればいいと年長者らしい提案をしたというのに、キリエもクロードも揃って「そんなのはダメだ」と言い出した。
せっかくキリエの隣で寝る権利を嫌々譲ってやったというのに、何か腑に落ちない結果になってしまった。
クレドは乱れた髪をぐしゃぐしゃと掻き、男らしくない猫みたいな欠伸をひとつ。
小さな2人に布団をかけ直してから、洗面所へと向かった。
一通りの身支度を済ませて、さて朝食の準備だ、というところでふいに、チェストに置いてある黒電話がけたたましく鳴り響いた。
ベッドの下を見るとそこにはキリエが硬い床で気持ち良さそうに寝息をたてていた。
一瞬まさか自分が蹴り落としたのかとギョッとなるが、ぽっかりと綺麗に一人分あいたスペースを見る限り、彼女が転げ落ちたのだとわかった。
右隣に寝ているクロードは極限にまで壁に寄って、まだ寝ている。
だから一人用ベッドに3人寝るのは無理だと、あれほど言ったのだ。
昨夜それを提案してきたキリエを床からクロードの横に移動させてやる。
自分が一人がけの小さなソファーで寝ればいいと年長者らしい提案をしたというのに、キリエもクロードも揃って「そんなのはダメだ」と言い出した。
せっかくキリエの隣で寝る権利を嫌々譲ってやったというのに、何か腑に落ちない結果になってしまった。
クレドは乱れた髪をぐしゃぐしゃと掻き、男らしくない猫みたいな欠伸をひとつ。
小さな2人に布団をかけ直してから、洗面所へと向かった。
一通りの身支度を済ませて、さて朝食の準備だ、というところでふいに、チェストに置いてある黒電話がけたたましく鳴り響いた。