requiem

隼人は、完全に麗香が出て行ったのを確認するなり、鼻で笑った。「本っ当あの女、騙しやすいわw」「さすがっすねー。隼人さん。」周りの奴らがニヤニヤ笑って賞賛の言葉を並べた。「俺、本当あいついなきゃダメだわw」「なぁ…隼人。まじでお前汚ねえ…。」「うっせ…。
じゃあさ、龍也は何が欲しくてあんなとこ居んだよ？金がねぇと、上の人間に見捨てられる。見捨てられたら、俺生きていけねぇし。知ってんだろ？あの人たちのおかげで俺らはここで力を持ててるって。」「隼人さん…それ…。」「あぁ、俺はあそこの人達と繋がってるよ。まともに働いて金をもらうなんてたりぃことしたくねぇからなw」「隼人いるー？」その時ドアの方で声がした。昨日騙した女。「美香」「隼人～持ってきたよ」美香は封筒に入った10万を隼人に渡した。「ありがと、美香。愛してる。」「これで私たち別れなくても良い？」「うん。
ずっとお前の側にいるから。」「本当⁉嬉しい」まんざらでもない様子で彼は美香を抱きしめた。「ごめん。俺、この後行かなきゃだめなとこあるから。また、明日会おうぜ。」「分かった。帰るね。」「おぅ。また明日」「バイバイ」
美香が去って行く様子に目もくれず、隼人は封筒の中の金を気にしていた。