銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
 あたしは勢いに乗りまくり、狂王に向かって堂々と叫んだ。

「見たか! 絶対、ノームに手出しはさせないわ!」

「ノーム?」

「あたしがつけた、この子の名前よ!」

 興奮したノームも、胸元で小躍りせんばかりにキャーキャー叫んでいる。

「し、しずくさん! すごいですね!」

 ふ……ふふふ。
 そうね、ほんとスゴイわ。偶然って。

 さて、これで形勢逆転! これから……

 ……。

 えぇっと、これから……

 ……

 こ……

 これから、どうしよう??

 あたしは剣を両手で挟んだポーズのまま、はたと困惑する。

 これ掴んだままじゃ、逃げられないじゃないの!

 でも手を放したら切り付けられると思う絶対に!

 どーしようー!? ここからどうすればいいの!?

(ノーム、ねぇノーム!)

 あたしは狂王にバレないよう、ひそひそ声でノーム話しかけた。

(はい。なんですか?)

(さっきのトゲ蔓、もう一回お願い)

(あ、むりです)

(……へっ?)

(わたしは、もともと攻撃系の精霊ではないので。そんなかんたんに出せないんです。あれは)

 ……。

 真面目にどうしよう。
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