銀の精霊・森の狂王・時々、邪神
 あの便利な生活が、いろんな破壊や犠牲の上に成り立っているのを知ったうえで、それを自慢しようとしていた。

 同じだわ。この世界の人間達もあたしも、何も違わないじゃないの。

 落ち込んでいると、侍女達が着替えを手に持って広げ始めた。

「さあ、お着替えを致しましょう。お手伝い致します」

 淡いグリーンのドレスは、襟と袖と裾に白い小さな刺繍がされてある。

 それ以外はとりたてて何の装飾も無い、シンプルなドレスだ。

「ヴァニス王様が、華美なものは好まれないお方ですので」

 値踏みされてると思ったのか、侍女が言い訳した。

 別にド派手ギラギラなドレスなんて着たくも無いけれど、そういえばヴァニスの衣装も、無駄な飾りはほとんど無かった。

 妹や貴族たちは、競うように豪華絢爛な衣装や宝石を身につけているのに。

 ヴァニス自身は贅沢に興味が無いのかしら。
 まぁ、狂王で贅沢三昧じゃ本当に救いようも無くなるけど。

「まずはこれを」

 そう言いながら、侍女が布を差し出した。

 あぁ、下着ね? はいはい分かりま……。

 ……。

 これって……この形状って……。

 ふんどし?
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