蒼い時
「ああ、悪かった。もう良いよ、次に話す」


考えが纏まら無いのか、気まぐれで呼びつけたのか分からない。


それでも、一々気にしていたら、この男の相手など出来ない。


「そうですか、それじゃ失礼します」


背を向けて部屋を出ようとする私に、社長が背後から声をかけた。


「近い内に、飯でも付き合ってくれよ」


180センチを越す身長、パリッとした着こなし、中年に差し掛かろうと云うのに、余計な脂肪もついていない。


挙句に財力もあるのだから、モテる男なのだろう。顔だけ、振り返って答える。


「秘書課に、可愛い娘達がいらっしゃるじゃないですか」


「まあ、そう言うな。日程はメールしておくぞ」
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