蒼い時
珍しい事だった。良く考えれば、社長と二人で食事などした事はなかった。


少し考え込みながら、部屋を出ると、二十代半ばの可愛い秘書が話しかけてきた。


「佐野さん、ありがとうございます。今日は朝から不機嫌で、ピリピリしてたんです」


「そう、大変ね。貴女達も」


私だって、年中付き合っていたら、堪らないだろう。


何かあったのだろうとは思うが、次の打合せに入る頃には、すっかりと忘れていた。


社長のお守りは、私の仕事ではない。それに、今日は週末だった。


唯一の愉しみ、彼とのやりとりが待っている。


馬鹿らしい話かも知れない、それでも何時の間にか欠かせない事になりつつあった。
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