俺様ホストに愛されて


「どうもこうもないですよ、ここでしか会わないし」



この前会ったのは、確か1週間くらい前。



特にお互いの連絡先を知らないあたし達は


来たい時にここに来て、会ったら一緒に飲むっていう感じのゆるーい飲み友達みたいな関係になっていた。



なんだか不思議な感覚だけど、お店に誘われてカモにされてないから良しとする。



リュウのお店は水曜日が休みらしく、ここに入り浸ってると聞いたから、あたしも水曜の夜は出来るだけ顔を出すようにしている。



その情報をくれたのはヒロさんだから、リュウは知らないけど。


リュウはお店の話をあたしにしないから、ヒロさんからたまに聞くそういう情報が頼りになることが多かった。



ここに来てるとなにも考えなくていいから楽だし、リュウやヒロさんと話すのは楽しい。



飲めなかったお酒も少しは強くなったし、今では無茶な飲み方もしなくなった。



あの夏の日から、あたしは少しずつ前に進みつつある。



あれから2ヶ月が経っていて、世間は夏から秋へとすっかり様変わりしていた。


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