俺様ホストに愛されて
「それにしても……今日は珍しく空いてるんですね」
そう言って腕時計に目をやった。
時刻は19時20分。
「今日は貸し切りだからね〜」
BARに来るには早い時間だけど、大抵この時間でもここはお客さんが多い。
珍しく今日は客層も違うし。
いつものようにカウンターの一番奥に座っていたあたしは、後ろのテーブル席で騒ぎ立てるスーツ姿の男性数人のことが気になっていた。
派手だし、間違いなくホストだよね?
さっきから刺すような視線を後ろから感じる。
あたしをカモにしようと狙ってる?
んーと、とにかくそれは置いといて。
「貸し切り⁉」